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東京地方裁判所 平成7年(行ウ)5号 判決

原告

小倉正常(X1)

小倉キク(X2)

右訴訟代理人弁護士

小林政明

被告

町田市固定資産評価審査委員会(Y)

右代表者委員長

大下克信

右訴訟代理人弁護士

飯田孝朗

事実及び理由

第三 当裁判所の争点に対する判断

一  適正な時価について

固定資産税は固定資産の所有者に対して、資産の所有という事実に着目して課税される財産税であり、資産が土地の場合には、土地の所有という事実に着目し、その更地価格を基礎として、賦課期日における所有者を納税義務者として、課税されるものである。このような固定資産税の性質からすると、その課税標準又はその算定基礎となる土地の「適正な時価」(法三四九条一項、三四一条五号)とは、正常な条件の下に成立する当該土地の取引価格、すなわち、客観的な交換価値をいうものと解すべきである。すなわち、法は、課税標準又はその算定基礎となるべき価格を客観的な交換価値とした上、税率の決定又は課税標準若しくは税額の調整によって、固定資産税の性格に応じた適正な課税を実現しようとしているものと解すべきである。

二  本件土地一及び二の評価について

1  本件土地一及び二の地目は雑種地であるか否か

(一)  評価基準によれば、土地評価上の地目は、現況の地目によるものとされ(評価基準第1章第1節一)、その認定は、原則として一筆ごとに行うものとされている(評価基準第1章第2節一等)。この場合、土地の現況及び利用目的に重点を置いて認定すべきであり、部分的に僅少の差異の存するときであっても、土地全体としての状況を観察して、社会通念に従って判断すべきである(取扱通達第2章第1節5参照)。

また、課税実務上、「宅地」とは、建物の敷地及びその維持若しくは効用を果たすために必要な土地をいい(不動産登記事務取扱手続準則一一七条ハ参照)、「山林」とは、耕作の方法によらないで竹木の生育する土地をいうものとされており(不動産登記事務取扱手続準則一一七条ト参照)、また、「雑種地」とは、田、畑、宅地、塩田、鉱泉地、池沼、山林、牧場、原野のいずれにも該当しない土地をいうものとされているところ、右各分類は、評価基準の内容を敷えんしたものとして合理性を有するものと認められる。

(二)  前記第二の二記載の前提となる事実に〔証拠略〕を併せれば、以下の事実が認められ、右認定を覆すに足りる証拠はない。

(1) 本件土地一及び二は、これに隣接する四五四番一七の土地及び同土地に隣接する四五四番一の土地とともに、原告正常が所有しているものである。

(2) 右各土地は、JR東日本横浜線淵野辺駅から約三四〇〇メートルに位置する谷底平野の傾斜地であり、農家と住宅とが混在する第一種住居専用地域にある。

本件正面街路一は、別紙一及び二記載のとおり、本件主要な街路一にコの字型で接続する道路で、本件土地二がこれに接する部分は勾配が約一〇パーセントの坂道となっている。

(3) 本件土地一、二及び四五四番一七の土地の原告正常の前の所有者は、右各土地等の上に住宅を建築すべく昭和六一年一月二七日付けで建築基準法による建築確認(第二五六二号)をとったが、結局、建築を中止している。

また、四五四番一の土地の原告正常の前の所有者は、昭和六三年七月二五日付けで、同土地につき宅地造成工事を行うための許可(六三多東開規許可第四三号)を得たが、基礎調査のみ行ったに止まり、造成工事は行わなかった。

(4) 原告正常は、昭和六一年七月一〇日、本件土地一、二及び四五四番一七の土地を交換契約により取得し、また、平成元年四月一〇日、四五四番一の土地を売買契約により取得した。

(5) 原告正常は、平成二年三月ころ、四五四番一の土地につき、擁壁工事に多額の費用を要すること、造成した後の土地利用効率が右土地の面積のみでは非常に悪いこと、本件土地一、二及び四五四番一七の土地と同時に造成することがより有効であるところ、そうすると造成計画、造成面積及び内容が大幅に変更となることを理由として、当面現状のまま利用し、造成する場合は、改めて造成の許可を申請するとして、東京都多摩東部建築指導事務所長木内正二に対し、造成工事の中止を届け出た。

右届けは、同月二七日、受理された。

以後、原告正常が右各土地について造成工事の許可申請をしたことはなく、現在、原告正常は、右各土地につき、これを造成し、建物を建築する計画を持っていない。

(6) 本件土地一、二及び四五四番一七の土地は、昭和五八年一一月一五日に行われた昭和五八年度の土地現況調査に基づき、一括して雑種地と認定され、昭和五九年度より雑種地として固定資産税を課税されてきた。

平成六年度の評価替えにおいても、当初は従前どおり右三筆が一括して雑種地と認定されていたが、右評価替えに伴う固定資産課税台帳の縦覧の際に、原告正常から右地目の認定につき不服の申立てがあったことから、右地目について見直しが行われ、その結果、四五四番一七の土地は四五四番一の土地と一体の山林とみるべきであるとして、本件土地一及び二とは分けて山林として評価されることとなった。

(7) 本件土地二は、幅約七・七一メートル、奥行き一三・三五八メートルの矩形の土地であり、建築基準法四二条一項三号に規定する道路である本件正面街路一と約〇・九メートルないし約一・八五メートルの段差で接しており、本件正面街路一との境には擁壁工事がされ、階段が設置されている。

本件土地一、二及び付近の土地の高低差はおおむね別紙二記載のとおりであり、本件土地二から本件土地一にかけて、緩やかな上り斜面となっているが、本件土地一の南側にある町田市図師町字二号四五四番一〇の土地(以下「四五四番一〇の土地」という。)は急斜面の崖及び山林となっており、また、本件土地一及び二の西側に続く原告正常所有の四五四番一七の土地及び四五四番一の土地は比較的急な斜面となっており、本件土地一及び二がすり鉢の底のような状態で緩やかな連続する斜面をなしているのと好対照をなしている。

(8) 本件土地一は、四五四番一〇の土地の崖の下付近に位置しており、比較的まばらに背の低い竹林が生えている。また、その一部に後記(9)記載の小屋が、本件土地二とにまたがる形で建っている。

(9) 原告正常は、本件土地二のうち、約三〇平方メートルの土地(これは本件土地二の面積(約一〇三平方メートル)の約二九パーセントに当たる。)でヤマトイモを栽培している。右耕作部分は、小さな畝が造られており、また、本件土地一と二との境界付近に建っている床面積約二・四七平方メートルの小屋には、ヤマトイモの耕作に用いる農具等が収納されている。

本件土地二には外縁を縁どるような形で樹木がまばらに生育しているほか、雑草が繁茂しており、畑部分以外について、原告正常が何らかの積極的な利用をしている形跡は窺われない。

(三)  右事実によれば、本件土地二については、その一部が耕作に利用されているものの、その面積は三割程度にすぎないこと、その外縁を縁どるような形で樹木がまばらに生育しているほか、雑草が繁茂しており、畑部分以外について、原告正常が何らかの積極的な利用をしていることは窺われないことからみて、これを全体的に観察すれば、その現況は山林とも畑とも見ることはできず、雑種地と認定するのが相当である。また、本件土地一は、本件土地二と地続きで面積が二五平方メートルと狭小な土地であり、同所には前記(二)認定の建物が建っており、本件土地二のうちの耕作部分で使用する農具等が収納されているというのであり、また、竹林が植わっているといっても、比較的まばらに背の低い木が植わっているに止まるものであり、本件土地二とは別の画地を形成する山林というよりも、本件土地二と一体的に利用されるべき一画地の土地としてその地目は雑種地と認めるのが相当である。

(四)  これに対し、原告正常は、四五四番一の土地及び四五四番一七の土地の現況が本件土地一及び二、なかんずく本件土地一に類似していること、四五四番一の土地(傾斜地)及び四五四番一七の土地(無道路地)に出入りする場合、地形の関係から本件土地二を通行しなければならないこと、本件土地一及び二が、高低差が三メートル以上あり、四五四番一七の上地との境界に入り組んで土砂崩れ防止の役割を果たしていることなどをもって、本件土地一及び二は四五四番一の土地及び四五四番一七の土地と一体性を有しているとし、本件土地二に植栽されている竹林がまばらで、その一部が耕作に供されているといっても、本件土地二の面積はもちろん、そのうち耕作されている部分の面積も全体からみれば僅少であって、そのような事情は評価基準にいう部分的僅少差に当たるから、右四筆の土地は一体として山林と認定すべきである、また、従前においても本件土地一、二と四五四番一七の土地は一体のものとして地目の認定がされてきたものである旨主張する、しかしながら、原告正常の右主張はいずれも採用することはできない。その理由は以下のとおりである。

すなわち、前記(一)記載のとおり、地目の認定は、原則として一筆ごとに行うものとされており(評価基準第1章第2節一等)、また、「山林」とは、耕作の方法によらないで竹木の生育する土地をいうものとされている(不動産登記事務取扱手続準則一一七条ト参照)。原告正常は、右四筆の土地に占める本件土地二の面積は僅少であり、そのうち耕作の用に供されている部分は極めて僅少である旨主張するが、一筆の土地の一部の現況及び利用状況については、部分的に僅少の差異の存するときであっても、土地全体としての状況を観察して、社会通念に従って判断すべきであるとされている(取扱通達第2章第1節5参照)が、これと異なり、隣接する二筆以上の土地について、ある土地が山林としての現況を有しない場合にまで、近隣の他の土地と一体として利用されているからといって、これを山林と認定すべきであるとする法令等の根拠は存在せず、原告正常の右主張は、本件土地一及び二の地目を山林と認定すべき根拠にはならない。

しかも、前記(二)に認定したとおり、四五四番一の土地及び四五四番一七の土地には竹木が相当程度密集して繁茂しているのに対し、本件土地一及び二には竹木がまばらに植わっているにとどまるし、その地形においても、本件土地一及び二が緩やかですり鉢の底のような状態となっているのに対し、四五四番一の土地及び四五四番一七の土地は急斜面をなしており、両者は明らかに相違しているから、たとえ、四五四番一の土地及び四五四番一七の土地に出入りする場合に地形の関係から本件土地二を通行しなければならず、また、本件土地一及び二が、高低差が三メートル以上あり、四五四番一七の土地との境界に入り組んで土砂崩れ防止の役割を果たしているとしても、本件四筆の土地を、社会通念上全体として一体のものとみることはできないというべきである。

原告正常は、本件土地一、二及び四五四番一七の土地は、従前は一体のものとして評価されていたのであり、これらを一体と評価しないとなれば、従前町田市長が行ってきた評価方法と相反するものであり、かかる点からしても、右三筆の土地は一体のものとみるべきである旨主張する。しかしながら、地目の認定は、土地の現況によるべきであり、従前の認定はせいぜいその参考程度になるにすぎず、町田市長及び被告において、従前の認定に拘束されるとする法令上の根拠はなく、むしろ、仮に従前の認定が誤っていた場合等においては、むしろこれを現況に合わせて是正すべき筋合である。本件の場合も、前記(一)の認定によれば、町田市は、原告正常からの不服の申立てを契機として、地目の見直しを行い、右四筆の土地の現況及び利用状況に合わせて、四五四番一七の土地につき本件土地一及び二と分けて地目を山林に変更したものと認められるから、右地目の認定の変更を不当なものということはできない。この点に関する原告の主張は理由がないものというべきである。

また、原告正常は、右三筆の土地は、当初から同一画地として取引されていたものであり、急傾斜地を含んでいることや分筆の状況からしても同一画地として利用するのが必然的な土地である旨陳述する(甲一二)が、土地の取得の経緯や今後の宅地開発の見込み(しかも、原告正常が何ら具体的な開発計画を有していないことは前記(二)(5)に認定したとおりである。)は、利用の現況とは直ちに結びつかないものであるから、これをもって右三筆の土地を一体のものとみるべきことにはならないというべきである。

2  本件土地一及び二の地目が雑種地であるとした場合に、それを宅地に比準してした被告の評価が適正であるか否か

本件土地一及び二が一画地を形成する雑種地であることは、前記1(三)に認定したとおりである。そこで、右事実を前提に、右各土地の評価に当たって、これを宅地に比準してした被告の評価が適正であるか否かを検討する。

(一)  前記第二の三に〔証拠略〕を併せれば、町田市の取扱要領によれば、「その他の雑種地」の評価においては、当該土地が宅地であるとした場合の価額を付近の土地の価額に比準する方法によって求め、その価額から「通常必要と認められる造成費に相当する額」を控除して求めることとされていること、具体的には、市街地宅地評価法適用地区の雑種地については、宅地の画地計算法を適用し、造成費を控除する方法によって評価し、その他の宅地評価法適用地区の雑種地については、宅地の価額に「〇・五」の補正率を乗じる方法により評価するものとされていること、右のほか、雑種地であることによる特別の減価補正はしていないこと、本件土地一及び二の評価に当たっても、右運用に則り、市街地宅地評価法適用地区の雑種地として、宅地の画地計算法をそのまま適用して本件土地一及び二が宅地であるとした場合の価額を求め、その価額から雑種地を宅地にするため通常必要と認められる造成費に相当する額(市街化区域農地(畑)の造成費用と同額)を控除して右各土地の価額を求めたこと、付近の土地の価額に比準して価額を求めるに際し、本件土地一及び二について原告正常が主張するような要素を減価要素として考慮していないことが認められる。

評価基準によれば、雑種地の評価は、ゴルフ場等の用に供する土地の評価及び鉄軌道用地の評価を除き、原則として、雑種地の売買実例価額から評定する適正な時価によってその価額を求める方法によるものとされ、市町村内に売買実例価額がない場合においては、土地の位置、利用状況等を考慮し、付近の土地の価額に比準してその価額を求める方法によるものとされているところ(評価基準第1章第10節一)、弁論の全趣旨によれば、町田市においては、雑種地の売買実例が少なく、右売買実例から雑種地の適正な時価を求めることは困難であることが認められるから、「その他の雑種地」の評価について、当該土地が宅地であるとした場合の価額を付近の宅地に比準して求めるものとしている町田市の取扱いは、評価基準に従ったもので適法というべきであり、また、取扱要領が市街地宅地評価法適用地区の雑種地とその他の宅地評価法適用地区のそれとの間で評価方法に区別を設けているのも、それが例外なく一律に適用すべき評価方法というのではなく、一定の場合に例外を認める趣旨であれば、評価基準に適合するものとして合理性を有するものというべきである。

(二)  そこで、本件土地一及び二の評価をどうすべきかについて検討するに、前記1(二)の認定事実に〔証拠略〕を併せると、右各土地は、農地と住宅とが混在する第一種住居専用地域にあり、用途区分では普通住宅地に分類されること、本件土地二は本件正面街路一と約〇・九メートルないし約一・八五メートルの段差で接しており、原告が取得する以前にほぼ平坦な土地とされ、本件正面街路一との境には擁壁工事がされ、階段が設置されるなど造成工事が行われており、また、前所有者において右各土地等に住宅を建築すべく建築確認を得たことがあること、右各土地には建物(小屋)が建築されており、東側に隣接する土地の利用状況等からみていつでも宅地化できる状況にあることが認められるが、一方において、付近の山林が南側及び西側を取り囲む中ですり鉢の底のような状態をなしており、殊に南東及び南西の二方向は高さ約一〇メートルの法地に囲まれており、冬場は一日三時間程度しか日が当たらず、崖崩れの危険があるなど住宅地とするには必ずしも適当とはいえない環境にあること、その利用状況をみても、その三割程度の部分が畑として利用されているが、その余の部分には竹木や雑草が生えていること、宅地として造成するためには多額の造成費がかかり、現在のところ、原告正常においてもこれを造成する計画を有していないこと等の事情が認められる。

右認定の本件土地一及び二の現況及び利用状況等に照らせば、右各土地は、取扱要領に定める市街化宅地評価法適用地区の雑種地とその他の宅地評価法適用地区のそれとの中間に位置づけられるべき雑種地と認めるべきであり、したがって、右各土地を評価するに当たっては、標準宅地に比準して住宅地とした場合の右各土地の価額を求め、その価額に〇・七五の補正率(減価率をその他の宅地評価法適用地区の雑種地の減価率〇・五の二分の一とみた。)を乗ずる方法により評価するのが相当である。

そうすると、被告が、本件土地一及び二について、取扱要領の「その他の雑種地」の評価方法のうち、市街地宅地評価法適用地区の雑種地についての評価方法をそのまま適用してその価額を求めたのは、雑種地の評価は、土地の位置、利用状況等を考慮し、付近の土地の価額に比準してその価額を求める方法による旨定めた評価基準に沿わないものであり、適正を欠くものというべきである。

3  本件土地一及び二の評価に当たって標準宅地とされた本件標準宅地一の評定が適正であるか否か

(一)  評価基準によれば、標準宅地に沿接する主要な街路の路線価は、宅地の売買実例価額から評定する当該標準宅地の適正な時価に基づいて付設するものとされているが、その場合、市町村長は、売買実例価額の内容を検討し、正常と認められない条件がある場合においてはこれを修正して正常売買価格を求め、その正常売買価格を基礎に、当該売買宅地と標準宅地の相違点を考慮し、標準宅地の適正な時価を評定するものとされ、また、標準宅地の適正な時価を評定する場合において、基準宅地との評価の均衡及び標準宅地相互間の評価の均衡を総合的に考慮するものとするとされているところ、原告正常は、町田市長の本件標準宅地一の評価には、正常売買価格及び標準宅地の価格の評定において、評価基準の定める方法に従っていない違法がある旨主張する。

しかしながら、〔証拠略〕によれば、(1)町田市長が委嘱した鑑定人金田肇は、平成四年七月一日を価格時点として本件標準宅地一の価格の鑑定評価を行ったこと、(2)右価格の評定においては、ア取引事例三例の売買価格を基礎に、時点修正、事例地の個別的要因の標準化補正、地域格差に関する補正を行い、これにより求めた本件標準宅地一の一平方メートル当たりの各価格の平均値を採用して、右各土地の比準価格を一平方メートル当たり二一万六〇〇〇円と認定し、イ他の一例の土地に帰属する純収益を基礎に地域格差による補正を行って本件標準宅地一の純収益を算定し、収益還元法による価格を一平方メートル当たり一三万一〇〇〇円と認定し、ウ比準価格は採用した事例が信頼度の高い事例で実証的価格と判断され、収益価格は、元本である地価の上昇に比較して、賃料の持つ遅効性により価格水準が低くなっていることを考慮して、比準価格を重視し、収益価格、基準地の価格を基準とした一平方メートルの価格一九万六〇〇〇円を加味して、本件標準宅地一の価格を一平方メートル当たり一九万四〇〇〇円と査定したこと、(3)町田市長は、町田市内の標準宅地六三六か所の土地すべてについて不動産鑑定評価を行い標準宅地相互間の均衡を図るように配慮したこと、(4)町田市長は、平成五年一月一日までの地価動向を勘案し、右鑑定人の意見に従い、右鑑定評価価格についてマイナス三パーセントの時点修正を行い、同日時点の価額を一平方メートル当たり一八万八〇〇〇円とし、その七割程度ということで本件主要な街路一の路線価を一平方メートル当たり一三万一〇〇〇円と求めたことが認められる。

右によれば、町田市長がした本件標準宅地一の平成五年一月一日現在の価格の評定は評価基準に従い適正になされたものということができる。

原告正常は、右鑑定において採用された取引事例に正常と認められない条件があるとか、標準宅地相互の均衡が図られていないなどと主張するが、この点を裏付ける主張、立証はなく、結局、確たる根拠もなく町田市長がした右評価を非難するものにすぎず、たやすく採用することができない。

(二)  しかし、法は、登録価格を基準年度に係る賦課期日における価格、本件でいえば平成六年一月一日における価格としているところ(法三四九条一項)、東京都内の市街化地域においては平成五年一月一日以降も地価が下落傾向にあることは公知の事実であり、そのことは甲五からもうかがわれるから、町田市長が本件標準宅地一の評定に当たり、平成五年一月一日までの時点修正しか行っていないことは法の趣旨に沿わないものというべきである。すなわち、右の法の趣旨からすれば、地価が上昇傾向にある場合には、課税の謙抑性の観点から基準年度に係る賦課期日より前の時点の価格をもって登録価格とすることは許容されるべきであるが、地価が下落傾向にある場合には、右賦課期日までの地価の下落をできうる限り標準宅地等の価格の評定に反映させるよう配慮しなければならないというべきである。もっとも、法は、他方において、市町村長による登録価格の決定を基準年度に係る賦課期日の約二か月後に当たる二月末日までに行うべきものとしており(法四一〇条)、大量に存する課税対象となる固定資産につき「適正な時価」を評価する諸手続に要する期間を考慮すると、登録価格の評価の基礎資料とするための標準宅地等の価格評定事務については、賦課期日からこれらの評定事務に要する相当な期間を遡った時点を価格調査の基準日とし、時点修正も一定期間を遡った時点においてこれを行うほかなく、法もこれを許容しているものと解さなければならない。しかし、そうであるからといって、地価が下落傾向にある場合において、賦課期日から一定期間遡った時点までの時点修正しかしなくてもよいという理由はなく、その後の時価の下落率を正確に把握して時点修正を行うことが困難であれば、一定期間遡った時点においてその直前における地価の動向からその後の地価の下落率を想定し、標準宅地等の価格の評定にこれを反映させるのが相当である。時点修正通知が、平成六年度の登録価格の評価事務について、価格調査の基準日を平成四年七月一日とし、平成五年一月一日時点における地価の動向をも勘案し、地価変動に伴う修正を行うべきものとしていることは、右の観点に照らして首肯できるところであるが、右に述べた観点からすれば、平成四年七月一日から平成五年一月一日までの期間において地価が下落している場合には、平成六年度の登録価格の評価に当たって、町田市その他の市町村において固定資産評価実務上行われている時点修正の方法、すなわち平成五年一月一日までの時点修正を行うということで足りるということはできないのであって、その後において地価が上昇するという顕著な動きがあるなど特殊な事情がない限り、平成五年一月一日から平成六年一月一日までの間において少なくとも右六か月間の地価下落率と同率程度の下落があるものと想定してこれを右評価に反映させるのが相当であるというべきである。

そこで、右の見地から、本件標準宅地一の価格の評定に当たっても、平成五年一月一日から平成六年一月一日までの地価下落率が約三パーセントであると想定して時点修正を行うのが相当であり、そうすると、本件標準宅地一の一平方メートル当たりの価格は、一八万八〇〇〇円にマイナス三パーセントの時点修正を行って得られる一八万二〇〇〇円(一〇〇〇円未満切捨て)の約七割程度の一二万七〇〇〇円となる。

4  本件土地一及び二の登録価格の評価(前記3の点を除く。)が適正であるか否か

(一)  評価基準によれば、その他の街路の路線価は、近傍の標準宅地に沿接する主要な街路の路線価に比準して付設するものとされ、また、各宅地の評点数は、その沿接する街路の路線価を基礎とし、一画地の宅地ごとに、奥行のある土地、正面と側面あるいは裏面等に路線がある土地、三角地又は不整形地、無道路地若しくは袋地等の状況に従って所要の補正を加える画地計算法を適用して決定するものとされている。

本件土地一及び二の土地が一画地の雑種であること、右各土地は本件正面街路一に沿接する矩形の土地であることは前記認定のとおりであるから、右各土地の価格は、本件正面街路一の路線価を本件主要な街路一の路線価に比準して付設し、画地計算法を適用して評価すべきことになるが、乙一二及び弁論の全趣旨によれば、右各土地は奥行、間口に関して所要の補正をなすべき土地には該当しないものと認められる。

〔証拠略〕によれば、町田市長は、本件正面街路一について路線価を付設するに当たり、本件主要な街路一の幅員が一・八メートルであるのに対し、本件正面街路一の幅員が三・八メートルであることから、町田市土地価格比準表に従い、両街路の格差を九パーセントと評価し、本件主要な街路の価格に一〇九パーセントを乗じて本件正面街路一の価格を求めている。しかしながら、〔証拠略〕によれば、本件正面街路一は公道へ出るための私道であって、右街路に至るまでの公道は一・八二メートルないし二・七三メートルと狭くなっていることが認められるから、町田市土地価格比準表(〔証拠略〕)に照らしても、本件正面街路一の幅員が三・八メートルであることはその路線価の増額要素とはならないものというべきである。

以上を前提にして、本件正面街路一の路線価を基礎とし、画地計算法を適用して本件土地一及び二の価格を求めると、

本件土地一の価格

一二万七〇〇〇円(本件正面街路一の一メートル当たりの路線価)×〇・七五×(雑種地としての補正率)×二五平方メートル(本件土地一の面積)=二三八万一二五〇円

本件土地二の価格

一二万七〇〇〇円(本件正面街路一の一メートル当たりの路線価)×〇・七五×(雑種地としての補正率)×一〇三平方メートル(本件土地一の面積)=九八一万〇七五〇円

となる。

(二)  原告は、前記第二の四1(四)の(原告正常の主張)に記載のとおり、本件正面街路一の路線価が売買実例価額に基づいて評定されていない、また、本件土地一及び二については、本件正面街路一に至る途中の道路が狭隘である、南側に忌み施設(墓地)があるなどの事情があるが、これらの項目について減価補正がされていないとし、右各土地の評価が適正でない旨主張している。

しかしながら、評価基準に従って本件土地一及び二の価格を求めると、一平方メートル当たり九万五二五〇円となることは前示のとおりであるところ、評価基準に従って適正に評価がされている限り、これをもって当該土地の適正な時価と認めるのが相当である(評価基準自体が違法と認められる場合には別途の考慮を要するが、本件に適用される部分に関しては、違法とすべき点はない。)。原告は、平成元年三月当時の近隣土地の売買実例によると、一平方メートル当たり六万四二八五円となっており、このような売買実例を考慮しない評価は不適正であるかのようにいうが、一つの売買実例がたまたま考慮に入れられなかったからといって、評価基準に従って評価された価格を直ちに不適正ということはできない。

また、評価基準によれば、宅地の評点数は、路線価を基礎とし、画地計算法を適用して付設するものとし、この場合、市町村長は、宅地の状況に応じ、必要があるときは、別表3の画地計算法の附表等について所要の補正をして、これを適用するものと定められているが(第1章第3節二(一)4)、評価基準に定める右所要の補正は、宅地の状況に応じ、その評価の均衡を図るため、当該土地に補正を行うのを必要とする特別の事情がある場合にこれを行うものであり、補正を必要とする特別の事情に当たるかどうかは、市町村長の合理的な裁量に委ねられているものというべきである。本件についてみれば、原告の主張する事情のうち一部は、雑種地としての減価等において既に考慮済みであるし、その余の事情については、宅地の状況に応じその評価の均衡を図るため必ず補正を行うべき特別の事情に該当するとまではいえず、町田市長において、それらの事情に基づき補正を行っていないからといって、本件土地一及び二の評価が適正を欠くということはできない。

この点に関する原告正常の主張は採用することができない。

5  そうすると、町田市長が本件土地一及び二についてした価格決定のうち、本件土地一について登録価格が二三八万一二五〇円を超える部分、本件土地二の土地について登録価格が九八一万〇七五〇円を超える部分は、いずれも法及び評価基準に違反するものとして違法であり、これを看過してされた原告正常に対する本件決定も違法である。

三  本件土地三及び五の評価について

1  本件土地五(位置指定道路)に独自の路線価を付設すべきか、それとも本件土地三及び五を一体をなす一画地の宅地として評価すべきか

(一)  評価基準によれば、標準宅地に接する主要な街路以外の街路(その他の街路)について、路線価を付すべきこととされている(評価基準第1章第3節二(一)1(2))が、路線価を付すべき「街路」の定義については、これを定めた規定は存在しない。

次に、取扱要領によれば、「路線価を付設する街路は、国道・都道・市道のほか、建築基準法第四二条の適用を受けるもの、又は、路線価を付設するに相当の理由があるものとする。」と定められている(取扱要領第2章第1節Ⅲ4(4))ところ、これは、一般に、「街路」とは、市街地における道路のことを意味すると解されていること、また、建築基準法四三条に定める建物の敷地の接道義務等の関係から、建築基準法上の道路に接しているか否かが宅地の客観的な交換価値に重要な影響を及ぼすと考えられること等に照らし、合理性を有するものと認めることができる。

本件についてみると、前記第二の二2記載のとおり、本件土地五が位置指定道路であることは当事者間に争いがなく、〔証拠略〕によれば、現に両側にL型側溝が整備され、路面もアスファルト舗装され、道路としての機能を果たすべく整備されており、宅地との区分は明確であること、原告キクはここを通行しようとする者に対し何らの制約を課していないこと、本件土地三にあるアパート(貸家住宅)(合計一一戸)、本件土地四にある第三者所有の長屋(合計二戸)のほか、第三者が所有する町田市森野一丁目一三〇四番五の土地にある建物(合計八戸)の各居住者等において、歩行したり、自転車、自動二輪車あるいは自動車等で通行したりしていることが認められる。

(二)  右事実によれば、本件土地五は、位置指定道路として、不特定多数の者が制限なく通行できる道路の用に供されているものといえるから、同土地は、「公共の用に供する道路」(法三四八条二項五号)として非課税となるか、仮に非課税の対象とならないとしても、その評価に当たっては、これを私道敷地たる雑種地としてその状況に応じて宅地に比準して評価すべきことになる。また、本件土地三は、本件土地五を敷地とする街路に沿接する土地ということになり、したがって、その価格は、右街路に独自の路線価を付設したうえ、右路線価を基礎に画地計算法を適用して評価すべきことになるものというべきである。

本件土地五については、「その他の街路」として、これに独立の路線価を付設するのが相当である。

これに対し、被告は、本件土地五は、本件土地三にある貸家住宅の通路として、専ら特定の者の通行の用に供されており、不特定の一般公衆が制限なく通行することのできる公衆用道路とは認められないから、同土地は本件土地三と一体をなす一画地の宅地として評価すべきである旨主張するが、前記認定を覆し、被告主張の右事実を認めるに足りる証拠はない。

2  そうすると、本件土地三及び五を一体をなす一画地の宅地としてした町田市長の評価は、法及び評価基準に違反するものであり、その余の争点につき判断するまでもなく違法というべきである。

四  本件土地四の評価について

1  本件土地四の評価に当たって標準宅地とされた本件標準宅地二の評定が適正であるか否か

(一)  評価基準によれば、標準宅地の評点数は、宅地の売買実例価額から評定する当該標準宅地の時価に基づいて付設するものとされているが、その場合、市町村長は、売買実例価額の内容を検討し、正常と認められない条件がある場合においてはこれを修正して正常売買価格を求め、その正常売買価格を基礎に、当該売買宅地と標準宅地の相違点を考慮し、標準宅地の適正な時価を評定するものとされ、また、標準宅地の適正な時価を評定する場合において、基準宅地との評価の均衡及び標準宅地相互間の評価の均衡を総合的に考慮するものとするとされているところ、原告正常は、町田市長の本件標準宅地二の評価には、正常売買価格及び標準宅地の価格の評定において、評価基準の定める方法に従っていない違法がある旨主張する。

しかしながら、〔証拠略〕によれば、(1) 町田市長が委嘱した鑑定人金田肇は、平成四年七月一日を価格時点として本件標準宅地二の価格の鑑定評価を行ったこと、(2) 右価格の評定においては、ア取引事例三例の売買価格を基礎に、時点修正、事例地の個別的要因の標準化補正、地域格差に関する補正を行い、これにより求めた本件標準宅地一の一平方メートル当たりの各価格のうち二例を重視し、他の一例を参考にして、右土地の比準価格を一平方メートル当たり一八〇万円と認定し、イ他の一例の土地に帰属する純収益を基礎に事例地の個別要因の標準化補正、地域格差による補正を行って本件標準宅地二の純収益を算定し、収益還元法による価格を一平方メートル当たり一二三万円と認定し、ウ比準価格は取引事例を基にした実証的価格と判断され、収益価格は、元本である地価の上昇に比較して、賃料の持つ遅効性により価格水準が低くなっていることを考慮して、比準価格を重視し、収益価格、基準地の価格を基準とした一平方メートルの価格一六三万円を加味して、本件標準宅地の価格を一平方メートル当たり一六二万円と査定したこと、(3) 町田市長は、町田市内の標準宅地六三六か所の土地すべてについて不動産鑑定評価を行い標準宅地相互間の均衡を図るように配慮したこと、(4) 町田市長は、平成五年一月一日までの地価動向を勘案し、右鑑定人の意見に従い、右鑑定評価価格についてマイナス一〇パーセントの時点修正を行い、同日時点の価額を一平方メートル当たり一四六万円とし、その七割程度ということで主要な街路二の路線価を一平方メートル当たり一〇二万二〇〇〇円と求めたことが認められる。

右によれば、町田市長がした本件標準宅地二の平成五年一月一日現在の価格の評定は評価基準に従い適正になされたものということができる。

原告正常は、右鑑定において採用された取引事例に正常と認められない条件があるとか、標準宅地相互の均衡が図られていないなどと主張するが、この点を裏付ける主張、立証はなく、結局、確たる根拠もなく町田市長がした右評価を非難するものにすぎず、たやすく採用することができない。

(二)  しかし、前記二3(二)に説示したのと同様の理由により、本件標準宅地二の価格の評定に当たっても、平成五年一月一日から平成六年一月一日までの地価下落率が約一〇パーセントであると想定して時点修正を行うのが相当であり、そうすると、主要な街路二の一平方メートル当たりの路線価は、一四六万円にマイナス一〇パーセントの時点修正を行って得られる一三一万四〇〇〇円の約七割程度の九一万九〇〇〇円となる。

以上のとおりであって、本件標準宅地二の価格の評定は適正を欠くものといわなければならない。

2  本件土地四の登録価格の評価(前記1の点を除く。)が適正であるか否か

(一)  評価基準によれば、その他の街路の路線価は、近傍の標準宅地に沿接する主要な街路の路線価に比準して付設するものとされ、また、各宅地の評点数は、その沿接する街路の路線価を基礎とし、一画地の宅地ごとに、奥行のある土地、正面と側面あるいは裏面等に路線がある土地、三角地又は不整形地、無道路地若しくは袋地等の状況に従って所要の補正を加える画地計算法を適用して決定するものとされている。

〔証拠略〕によれば、本件土地四は、正面が本件正面街路二に沿接し、側面が本件土地五を敷地とする街路に沿接する矩形の土地であることが認められるから、右土地の価格は、本件正面街路二の路線価を本件主要な街路二の路線価に比準して付設し、また、本件土地五を敷地とする街路に独自の路線価を付設したうえ、右各路線価を基礎に画地計算法を適用して評価すべきことになる。

ところで、本件主要な街路二の路線価を一平方メートル当たり九一万九〇〇〇円と町田市長の評定より低く認定すべきことは前示のとおりであり、この点からいえば、本件土地四の価格は被告の評価したそれより低くなるはずであるが、一方、側面で本件土地五を敷地とする街路に沿接しており、その点は価格の増加要因になるのであって、右街路に独自の路線価を付設して評価をし直さなければ、本件土地四の登録価格の評価が適正かどうかの判断はできない。

したがって、当裁判所としては、町田市長がした本件土地四についての価格決定は法及び評価基準に違反した違法があり、これを看過した原告キクに対する本件決定も違法である旨判断するに止めるほかない。

(二)  なお、本件土地四の評価に関するその余の争点についての当裁判所の判断は次のとおりである。

(1) 原告キクは、本件土地四の平成五年度の相続税評価額は一平方メートル当たり七九万円であり、平成六年度の登録価格も同様の価格となるべきである、また、本件土地四の近隣の土地の売買実績は、一平方メートル当たり一七五万二五六三円であり、これを時点修正するとその価格は七八万五一四八円になるのであって、右売買実績と比較して、本件土地四の登録価格は不当に高い旨主張する。

しかしながら、評価基準に従って適正に評価がされている限り、これをもって当該土地の適正な時価と認めるのが相当であり、本件土地四の平成五年度の相続税評価額と一致しないとか、あるいは一つの売買実績がたまたま考慮に入れられなかったからといって、評価基準に従って評価された価格を直ちに不適正ということはできない。

(2) 原告キクは、本件土地四の付近は、事業用地としては裏通りで、道路条件が悪く中途半端な路線であるから、右土地の価格の評価に当たっては、右の点を減価要素として所要の補正を行うべきである旨主張する。

しかしながら、評価基準によれば、宅地の評点数は、路線価を基礎とし、画地計算法を適用して付設するものとし、この場合、市町村長は、宅地の状況に応じ、必要があるときは、画地計算法の附表等について所要の補正をして、これを適用するものと定められているが(第1章第3節二(一)4)、評価基準に定める右所要の補正は、宅地の状況に応じ、その評価の均衡を図るため、当該土地に補正を行うのを必要とする特別の事情がある場合にこれを行うものであり、補正を必要とする特別の事情に当たるかどうかは、市町村長の合理的な裁量に委ねられているものというべきである。原告キクの主張する事情は、宅地の状況に応じその評価の均衡を図るため必ず補正を行うべき特別の事情に該当するとまではいえず、町田市長において、それらの事情に基づき補正を行っていないからといって、本件土地四の評価が適正を欠くということはできない。

五  結語

以上の次第で、原告正常の本件請求は、同原告に対する本件決定のうち、本件土地一について登録価格が二三八万一二五〇円を超える部分、本件土地二の土地について登録価格が九八一万〇七五〇円を超える部分に係る審査申出を棄却した部分の取消しを求める限度で理由があり、原告キクの請求はすべて理由があるから、これらを認容し、原告正常のその余の請求は理由がないから、これを棄却することとし、訴訟費用の負担について、行政事件訴訟法七条、民訴法六一条、六四条一項本文を適用して、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 青栁馨 裁判官 増田稔 篠田賢治)

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